会議室は広く、中央に大きくスペースが取られていた。新商品の開発会議だから、その試作品をここで見せたりするのだろうと思う。このTLHことテングライフ&ヘルスサポートという会社は健康器具やら介護用品やらを作っていて、天狗グループのうちの一社だ。天狗グループの会長は本物の天狗だなんていう噂もあるけど、さすがにそれは嘘だよね。まだ会ったことないけど……  父さんの勤めるこの会社に入れたのは運が良かった。コネで入れないかな、とかは期待してなかったので、それなりに努力はした。それなりに良い大学に入るために勉強も頑張ったし、大学でも聞こえのいいような活動に色々手を出したり。人に言いづらい努力もしたり。忙しくて高校の頃の友達ともすっかり疎遠になってしまったけど、まあ、仕方ない。  父さんはNL商品企画・開発部だとちらりと聞いていたので、同じ部署に行けるように希望を出したりはしてたけど……熱意を認めてくれたのか、商品開発会議を見学させてもらえることになった。若い人のフレッシュな意見を聞きたい、ということらしい。そもそもNL商品っていうのが何なのかよく分かってないんだけども、こうして会議室の隅っこでメモを取る準備だけしてパイプ椅子に座っている。。  会議室の席は充分に埋まっているけど、父さんの姿は見えない。同じ部署でも会議には出ない役割だったりするのかなあ……なんて思っていたら、会議が始まってしまった。出席しているのはそこそこ年齢がいっているけどエネルギッシュそうなおじさんばかりで、比較的若そうなのはほんの数人。女性は一人もいない。まあ、僕としてはおじさんの方が好物なのでこっちの方が。 「本日もナイトライフ商品の開発会議を始めます」  ナイトライフっていうと……もしかして、いわゆる夜の生活……つまりはセックスとかそう言う関係の商品ってことかな。男女のセックスの事なんてあんまりよく分からないけど大丈夫かな……何か聞かれても挿れられる側の視点でしか話せないぞ。  中央のスペースに何か大きなものが用意され、進行役の社員が確認として開発中の商品の説明をする。どうやらそれは、足腰が弱ってきた夫婦や、怪我や障害などで動きが制限されている人向けの補助ベッドのようなものらしい。説明を聞くと確かに、この会社の扱う商品なんだと分かる。歳を取っても夫婦生活は大事だって聞くし、怪我や障碍のある人だって快適に子作りやら何やらできた方がいいよね。 「では、今回も実際に使用していただき、様々な意見を聞きたいと思います」  そんな進行役の人の言葉に驚いていたら、奥の部屋に繋がっている扉から誰かが二人入ってきた。二人ともバスローブ姿で、一人はそこそこの年齢だがかなり体格の良いおじさん……というか父さんじゃないか。後ろを歩くもう一人は僕と同い年ぐらいの若い男……こっちも見たことあるぞ。高校の頃の同級生だ。岩沢亮(イワサワ・リョウ)だ。  二人は中央のスペースまで来ると、バスローブを脱いだ。下には何も身につけていなかったようだ。父さんは何故だか知らないけどやたらと体格が良くて、背も高いし筋肉も結構ある肉厚な体型だ。亮は少し細身だが筋肉はありそうな引き締まった体型だ。  亮が補助ベッドの上に寝転がり父さんがリモコンを操作すると、ベッドの一部が変形して亮は両脚を大きく開いて股間や尻が丸見えになる体勢で拘束される。父さんはそれと向かい合う位置に腰を下ろし、亮の尻穴に潤滑ジェルを塗りたくる。パッケージに見慣れた天狗のイラストが描いてあるので、このジェルもここの商品らしい。 「ううっ……」  亮の尻穴を父さんの指が弄る。太い指を二本も挿れられて、亮が小さく声を漏らす。痛くはなさそうだ。もうある程度広げてあったんじゃないかなあ。もしかして奥の部屋で準備してたのかも。父さんは指をそんなに激しく動かしている様子はないが、亮は何かに耐えるような表情だ。チンポはしっかり勃ち上がっていて、白く濁った汁を漏らしている。  それなりに広がっているのを確認してから、父さんは指を引き抜く。そして自分のチンポにもジェルを塗りたくる。デカい。老いを感じさせないほどに力強く天を向いて勃ち上がっている。欲しい。でもさすがにそれを直接父さんには言えない。物心ついてからずっと会ってなかったから、あんまり実感はないけど実の父親だからなあ。僕はそれでもいいんだけど。  父さんがまたリモコンを操作すると、ベッドから何かが伸びてきて父さんのチンポを掴む。それをぐっと押し下げつつ、父さんの腰掛けている部分が動いていく。同時に亮の寝ている部分も動いて、傾きを調節しながら二人が近付けられていく。機械の動きによって父さんのチンポが亮の尻穴にあてがわれ、ゆっくりと挿入されていく。根本までしっかり呑み込ませたところで止まった。  すごい。こんなに細かく色々動いてくれるのかあ。父さんみたいにギンギンに勃っていて上向いちゃってるチンポを押し下げるのも、正確に亮の尻穴に挿入するのもそれなりに技術がいるんじゃないだろうか。  父さんがまたリモコンを操作すると、ベッドが動いて父さんのチンポが抜き差しさせられる。最初は単純な前後運動だったけど、父さんが更に細かくリモコンを操作するとその動きにも変化が加わる。上下にも動いて突き上げるようにしたり、奥にぐっと押しつけて更に少し動いたり。感じているのを我慢しているのか、亮は声を小さく漏らし、身をよじっている。少しぐらい暴れても拘束は解けなさそうだ。 「そろそろ激しくしてみてくれ。前回は途中で故障してしまっただろう」 「ああ、刺激が強すぎて彼が暴れて、わずかに破損したところに彼の噴いた潮がかかって止まってしまったのだったな。今回はそんなことがないといいな」  会議に参加してるおじさん達が真面目なトーンでそんなことを言うと、父さんはリモコンを操作してベッドの動きを激しくさせる。亮は機械によって父さんのチンポを何度も激しく突き込まれて、声を抑えることができなくなってくる。声を上げながら、手元にあるハンドルのようなものをぎゅっと握って刺激に耐えている。 「前回より寝台も駆動部分も拘束具もハンドルも、全て丈夫になりましたから、そう簡単に破損することはないはずです。潮を噴いても基盤などにかからないように工夫もしました」 「それならいい。私のあ……その、身近にも潮を大量に噴いてしまう者がいるので、そこは心配していたのだ」  今うっかり愛人とか言おうとしたのかな。いい歳して現役バリバリですけべなおじさんは大好物です。相手は女の人だろうから、僕の相手をしてくれるわけはないんだけども。  やがて、ベッドの動きはますます激しくなり、もう元気な人が普通にセックスするよりも激しい突き込みになっている気がする。父さんのあのチンポをこれだけ激しく抜き差しされて、亮は大きな声を上げて身体を何度も震わせる。刺激が強すぎるのか亮は結構暴れてるような気がするけど拘束は解けないし壊れる気配もない。 「うあああっ、あああっ、あがあああっ……」  更に突き込みが続けられ、亮のチンポから透明な液体が漏れ始める。ベッドの激しい動きによってそれがあちこちに撒き散らされるが、破損もしてなくて、しっかり防水加工などされているようなので止まることはない。やがて、亮が絞り出すような声で「止めて」と懇願して、父さんはやっとベッドの動きを止めた。亮の拘束も解かれて、ベッドが変形して元の形に戻る。  父さんはチンポを引き抜くと、亮を抱き起こして……ひっくり返した。今度はベッドの上にうつぶせで寝転がらせてからまたリモコンを操作すると、再びベッドが変形して亮を四つん這いのような姿勢にさせて拘束する。今度は父さんはベッドに腰を下ろさずに、自分でチンポを掴んで亮の尻穴に再び突き挿れる。 「んんんっ……」  亮はまた声を上げるがもうそこまでの大きな声を上げる元気もなさそうだ。父さんは亮の耳元で何事か声をかけてから、ゆっくり腰を動かしていく。激しさはなくても充分に快感を与えているようで、亮はずっと気持ち良さそうに声と吐息を漏らしっぱなしだ。時々身体を震わせて、ベッドの隙間から下に何か液体が垂れ落ちる。  少しずつ父さんの責めが激しくなっていく。やがて先程のベッドの激しい動きに負けないほどの抜き差しになり、湿った音と肉のぶつかり合う音が会議室に響く。会議に参加している人達も、二人の行為を食い入るように見つめている。普通に興奮してしまっている人も結構いるようだ。  しばらく抜き差しを続けて、亮が一際大きく身体をはねさせたところで、父さんは責めを止めてチンポを引き抜く。それはまだまだ勃ち上がったままで、そもそも射精もしていないようだ。そんな様子を見ている会議の参加者から拍手がぱらぱらと聞こえてくる。何人かはただのやらしい見せ物だと勘違いしてるんじゃないだろうか。僕を含めて。 「それでは、一旦休憩を挟みましょうか。十五分後に再開します。再開後は様々な状況の使用者を想定し、実演します」  進行役の言葉で会議の参加者が一息つく。席に着いたままの人もいれば、立ち上がって会議室を出る人も。さりげなく股間を隠しながら慌てて出て行く人も。勃ってるのを見られたくなくて席を立てずにいるっぽい人もいる。僕は勿論ガッチガチなので立ったらすぐばれる。大人しくしていよう。  再開後は、それぞれが様々なパターンの使用者を想定した使い方を実演して見せてくれた。単純に足腰が悪い人やら、様々な障碍を想定してあちこちを固定したり身体を動かせないようにしたりと色々工夫して見せてくれた。そのたびにたっぷり感じさせられる亮。大変だろうけどうらやましい……僕もあのチンポで掘り続けられたい。  しかし、父さんは何者なんだろう。ずっとしっかり勃たせて掘り続けて、結局射精もしなかった。感じていないわけじゃなくて、快感に耐えているような場面も何度もあった。射精のタイミングをある程度コントロールできるのかな。AV男優みたいに……うーん、まさか、ねえ?  次の日、会社で亮とばったり会った。こうして会うのは久しぶりだ。高校の頃は仲良かったけど、大学に入ってから僕の方があんまり時間的な余裕がなくて、亮を含む友人とは疎遠になってしまっていた。  友人の中でも亮とはお互いがゲイだと知っていて、お互いのことは好みのタイプではないのが分かっているので素直に話ができる友人として話しやすかったのだ。  だから、つい昨日の会議室でのことを聞いてしまったら…… 「ああ、見てたのか……俺だって本当はあんな役割、もう嫌なんだよ」 「え、そうなの? 気持ち良さそうだったけど……」 「そりゃあ気持ちいいけどさ。俺はほら、もっとこう、穏やかで優しい彼氏とまったりいちゃいちゃしたいんだよ。ああいう激しいのはもう……充分すぎるぐらい味わったから」  あー、それも分かる。激しいセックスで快感は得られるけど、まったりいちゃいちゃでしか満たされない欲求もあるんだよね。 「替わってあげられるなら替わりたいけどねー。僕は激しくされるのも好きだし」 「お、そうか。じゃあそう話はしておくから、今度から頼むよ。な?」  あれ、そんなあっさり? まあ、いいか。  今日は遂に、開発会議に実演係としての初参加の日。会議室の奥の準備室で身体やらなにやらを綺麗にして待つ。しかしどうやら今日は父さんはいないらしい。残念。  その代わりにやってきたのは、部長の岩沢鉄蔵(イワサワ・テツゾウ)さん。あ、そうだ。この人は亮のお父さんだ。ちょっとだけ会ったことあるぞ。そこそこ良い身体をしてて、ちょっと太めでむちむちした体型がわりと魅力的。眼鏡を掛けた真面目そうな顔が結構格好良いと思う。 「今日はいつも実演をしてくれる糸賀(イトガ)君がいない日なので、申し訳ないが今日が初めての君がメインになるぞ」 「はあ……」  折角父さんとセックスできると思ったのに。代わりに鉄蔵さんが相手してくれるんだろうか。それならそれで…… 「今日はこれ、尻を掘るときにゆっくり拡張するための器具だ。これは挿れたまま少しずつ大きくできるんだ。そしてそれが優しく抜き差しされて、無理せずに広げていける」  見た目は……うーん、ちょっと大型のバイブの類だなあ。バイブ本体が突き立っている土台とはケーブルで繋がったコントローラーには液晶画面がついている。鉄蔵さんがそれに目の前で電源を入れて動かしてくれる。挿入部分を握ってみると滑らかな感触で、それが手の中で少しずつ大きくなっていく。ある程度大きくなったところで、それがゆっくりと抜き差しをするように動く。 「そしてここに、今どの程度の大きさになっているか、どの程度の強さでどんな動きをしているのか表示される。大きさは細かく設定できて、それが数字でちゃんと表示されるから、何日も時間を掛けてゆっくり拡張するときに役立つぞ」 「あ、本当に拡張するための器具なんですね……」 「そうだ。まあ、快感を得るのにも使えるが。ほら、こんな風に激しくもできる。こんなこともできるぞ」  挿入部分の動きがどんどん速く、激しくなっていく。それから、丸くて真っ直ぐだったそれが鉄蔵さんの操作でちょっと平たくなったり良い感じに反り返ったりして形が変わる。おお、これ欲しい。あ、止められちゃった。へえ、一番小さくなるとこんなに細くなるのか。これなら指ぐらいは入る人ならなんとか挿れられそうだ。 「ではそろそろ出番のようだ。私が説明をしながら機械を動かすから、君は素直に受け入れていてくれればいい。行くぞ」 「はいっ」  というわけで鉄蔵さんの後に続いて会議室に入る。鉄蔵さんはスーツ姿なのに僕だけ裸にバスローブ羽織っただけなのが、なんだか妙に恥ずかしくて……ちょっと興奮してしまう。  会議室には父さんはいない。亮もいないなあ。でもいない方が僕も鉄蔵さんもやりやすいかな。指示に従って裸になって四つん這いになると、鉄蔵さんが僕の尻に潤滑ジェルを塗りたくって、指を挿れてくる。 「穴を広げるとき、このように指を使う人は多いと思います。一本、二本と増やしていけば段階的に拡張していけますからね。ですが、指だけでは限界があります。そもそも指は人によって太さも長さも違いますし、1.5本や2.5本などという太さにはできないわけです。そこでこれが役に立ちます」  鉄蔵さんは片手で僕の尻を弄くりながら、もう片方の手でその器具を説明する。鉄蔵さんの指はいい感じのところを刺激してきて、なかなか気持ちが良くて困る。適当なところで指が抜かれて、例の器具が尻に挿入される。まずは一番細い状態で抜き差しが開始される。あえて浅く挿れられているのは、今の大きさが分かるようにだろうか。 「では、少しずつ大きくしていきます。このように、細かく段階的に大きくできますから、無理のない範囲でゆっくり拡張していけます。挿れられている側が痛がったりしたらそこで止めて。もう少し小さいところから時間を掛けて……」  と、鉄蔵さんが器具のサイズをどんどん大きくしていく。が、結構なサイズまで挿れられ慣れてしまった僕はなかなか痛がらないのでなかなか止まらない。 「なんだね。新人は随分尻がゆるいじゃないか。拡張の必要があるのかね」  会議の参加者の一人がそんなことを言う。あーあ。初日にして色々ばれてしまったぞ。これはもう、今後は何かを期待してこっそり声を掛けてくるすけべなおじさんに期待するしか…… 「この器具は拡張だけではないんです。なんと、このように普通に快感を得るためのピストンバイブとしても使用できます」  鉄蔵さんの操作で挿入部分が激しく動き始める。最初は単純な抜き差しだったのが、角度を着けたりひねりを加えてみたり、奥をえぐるようにぐりぐり動いたりと色々変化をつけてくる。 「あっ、ああ、んあああっ……」  快感で我慢していた声が出てしまう。これ、気持ちいいっ。完成したら本当に欲しい。試作品のテストを個人的にするから、とか言ったら貸してくれたりしないだろうか。あー、そこ、当たってるっ……あ、止まっちゃった。 「と、このように様々な使い方ができます。現在の段階で搭載されている機能は資料の通りです。何か質問は?」  そこから質疑応答が始まる。こんな状況にみんな慣れているようで、至って真面目に議論が交わされる。その間、僕は半端に刺激された身体を持て余していた。これ、一人で勝手に使ってちゃ駄目かなあ……駄目だよなー。  やがて、話し合いが交わされている途中で、参加者の一人がとてもいいことを言ってくれた。 「その器具で無事に拡張できました、ということを証明してみせるべきでは?」 「確かにそうですね。では、拡張できたことを証明するために、失礼します」  鉄蔵さんは何のためらいもなくスラックスズボンの前を開けて、パンツの中からギンギンに勃ち上がったチンポを引っ張り出す。おお。父さん程じゃないけど、結構大きいんじゃないだろうか。それにジェルが塗りたくられて、器具を引き抜かれてぽっかりと開いた尻穴に挿入される。あー、やっぱり本物の方がいい。 「うおああっ、ああ、あがあああっ……」  鉄蔵さんのチンポが抜き差しされ、尻の奥までしっかりえぐられて僕は変な声をあげてしまう。動きはゆっくりめだけど、しっかり突いてきて、僕は自分のチンポから何かが押し出されるように漏れるのを感じた。 「ふううっ、拡張のおかげで、このように……私の一物でも問題なく挿入することができましたっ。どうでしょうかっ」 「いいね。彼も喜んでいるようだ。この器具による拡張は有効だったと認めよう」 「理解していただけましたか。では……」  鉄蔵さんかチンポを抜こうとしたのを別の誰かが止める。 「そのまま最後まで続けなさい。今日の実演はここまでなのだろう。君はともかく彼のことはしっかり満足させてやらないと」 「そう、ですねっ……では……あ、交代しますか? とても具合の良い穴ですよ」 「魅力的な提案だが、今日は約束があるのだ。君が責任を持って満足させなさい」 「はいっ」  そんなやりとりが聞こえてきたよう気がしつつ、僕は鉄蔵さんのチンポで感じさせられていた。鉄蔵さんのチンポが僕の尻の中を暴れ回る。激しい動きで尻の中を掻き回されて、僕は強い快感に声をあげていた。 「いい、いぎいい、いい、いあああああっ!」 「おおお、君の尻が、私の一物を絞り上げてくるぞっ。ああ、私も限界だっ。ああああっ……」  鉄蔵さんが後ろから覆い被さってきて、俺は四つん這いの姿勢を保っていられず崩れ落ちる。そのまましばらく、鉄蔵さんの重みをじっくりと感じていた。 「ところで、今日はどうして父さんいないんです? 仕事に行くって家をはずなんですけど」  会議が終わり、後始末をしてから少しお茶などを飲みながら休憩中。気になっていたことを鉄蔵さんに聞いた。 「ああ、彼は別の仕事もあるからな。ここじゃない方に行っているんだろう」 「それって……副業があるってことですか?」 「まあ、そうなるな。ただし、厳密には……こっちが副業だが」  あー、そもそもそういうことだったのか。父さんと会社でなかなか会わないなー、と思ったら。そもそも必要な時しか来てないのかな。 「父さんの本業って何なんです? 僕、父さんのことあんまり知らなくて……」  父さんは優しいけど自分のことは全然話してくれないのだ。物心ついてからずっと一緒にはいなくて、数年前にほぼ初めて会ったようなものだから、自分の父親だという実感はそんなにない。そもそも父親が生きて存在するってずっと知らなかったし、一人で僕を育ててくれた母さんが病気で余命宣告されて、仕方なく父さんに頼ることにならなければ、一生知らないままだったかも知れない。ちなみにその後、母さんは奇跡的に回復して元気になってしまったので、今はちょっと後悔してるらしい。僕はどうにか両方とうまくやっていきたい。 「知らないのか。君も世話になったことがあるんじゃないかと思ったんだが……」  鉄蔵さんは僕に見せながら携帯電話を操作する。えっ、AVの配信サービス? 戸惑っていると、目の前で動画が再生される。タイトルからすると、男の娘(オトコノコ)系のやつ。出演しているのは女性じゃなくて女の子っぽい外見の男。そして……その相手をしている男優が……うん、どう見ても父さんだ。いつもの父さんと同じような、優しい雰囲気で相手の緊張をほぐしながら責めていく。あー、凄い納得。人前で堂々とセックスできるのも、自分は射精せずに相手を掘り続けられるのも、そもそもAV男優だからそれに慣れているからだったんだ。 「彼はこういうものによく出演しているAV男優だ。商品の実演のために、みんなの前で堂々とセックスができる男が必要だったから、彼に交渉したんだ。彼は当時から少し特殊なジャンルによく出演していたから、男相手でもどうにかなるのではないかと思ってな」 「はあ……」 「彼も家族のために表向きの肩書きを欲しがっていたから、利害が一致して引き受けてくれることになった。それから約二十年、ずっとこっちの仕事を続けてくれている。なかなか代わりがいない、貴重な人材だ。彼がこのNL商品部門を支えていると言っても過言ではない」  表向きの肩書き……そうか。僕のためかも知れない。父親がAV男優なんて人に話しにくいし、学校とかも扱いに困っちゃうもんね。だから表向きはここの社員だってことにしたかったんだ。結局僕が物心つく前に別れちゃったらしいから、あまり意味はなかったんだけど。 「父さんって……どんなのに出てるんです?」 「聞きたいかっ。色々出ているぞ。かつてはごく普通のジャンルにもよく出ていたが、ニューハーフモノに出てからはそっちが増えて、最近では男の娘モノにも出ているし、あの体格を活かした体格差モノなどにもよく出ているぞ。あとはこういう、長時間セックスし続ける企画などにもよく出ているなっ」  鉄蔵さんは携帯電話の画面でAVのタイトルを色々と見せながら熱く語る。僕もチェックしなきゃ…… 「それと、こういうのにも出ているぞっ。我が社での経験が生きたなっ。男相手でもこれだけの仕事ができるっ」  更にはゲイ向けの動画配信サービスの画面まで見せてくれた。うおお、本当にあの父さんが、男の尻を掘りまくってる…… 「彼の出演作は一通りチェックしているからな。知りたければ今度リストにしてやろう」 「ありがとうございます……鉄蔵さん、もしかしてファンなんですか?」 「そうだっ。あんな姿を目の前で見せられ続けたら、男として憧れを抱かないわけがないっ」  あ、そっちか。掘られたいとかじゃあないんだね。 「次回の開発会議は頼むぞっ。君なら彼の魅力をもっと引き出してくれると信じているっ!」  なんか期待されちゃってる……まあいいか。 「優(マサル)……お前が新しい相手なのか」  会議室の奥の準備室。バスローブ姿で父さんと向かい合う。僕が新しい相手役だって聞かされていなかったらしい。言ったら辞めさせられると思って僕も言わなかった。 「うん。亮がもう辞めたがってたから、僕がやるって言っちゃった」 「そうか……彼はやはり、もう辞めたかったのか」 「父さんとのセックスは気持ちいいけど、もっとまったりといちゃいちゃするのが好きなんだって。仕事で父さんとあれだけ激しいセックスしてるとそんな元気もなくなっちゃうみたい」 「そうだったか……良かれと思ってなるべく感じさせるよう努めていたが、逆にそれが仇になったか」 「あ、僕はああいうのも大好きだから大丈夫だよ。父さんと激しいセックスしたいよ」 「そういう問題じゃない」  あ、怒られた。 「実の親子なんだぞ。お前にはあまり実感がないかもしれないが……俺もずっと離れていたせいでそんなには実感がないのだが……」 「そもそもどうして親子でセックスしたら駄目なの?」 「それは……そうか。男同士なら子供ができてしまう心配もないし、お前ももう大人だからな。そこまで拒否する理由もないのか。そもそもお前の方から俺としたいと言っているのだし……よし、分かった。あくまで仕事として、お前とセックスをすることにしよう」 「やったっ。父さん大好き!」  喜びを表現したくて父さんにぎゅっと抱きつくと、父さんも抱き返してくれる。あー、父さんの身体は大きくて分厚くて、すごくいい。小さいうちから思い切り甘えたかったなあ。そうしたらこんな、ファザコンこじらせてなかったかも知れないけども。 「俺もお前のことが大好きだぞ。それで、だ。今日の実演だが、試作品はこれだぞ」  父さんが指し示したのは……マットレス、かな。見た目は普通だ。 「これはセックス用に色々考えられたマットレスでな。柔らかすぎず、硬すぎない適度な弾力で、上であんなことやこんなことがしやすくなっている。加えて、表側のカバーが取り替えやすくなっていたり、汚れが中にしみこまないようフィルターが入っていたりと色々考えられている作りだ。我が社の定番商品の新しいバージョンだな」 「へえ……これで、どういう実演をすればいいの?」 「今回は特別なことはいらない。普通にセックスすればいい」 「うん。分かった」  この間のベッドみたいな複雑な商品ならともかく、定番商品のマットレスのちょっと新しくなったバージョンなんてわざわざ実演いるのかなー。なんて思ったりもしたけど言わないでおく。  やがて出番が来て、父さんの後に続いて会議室へ。進行役が説明するのを聞きながら、バスローブを脱いでマットレスの上で父さんと抱き合う。そのまま押し倒され、口付けられる。ねっとりと舌を絡ませる濃厚なキスは僕をますますその気にさせる。あー、このマットレスは確かにいいかもしれない。父さんの体重が上からかかってもいい感じに受け止めてくれるから、身体への負担が少ない気がする。  父さんの口が移動していき、僕の身体のあちこちを責めていく。耳、首筋、乳首、腋、脇腹など敏感なところを舐められ、吸い付かれてくすぐったいような快感に身をよじってしまう。やがて、僕の勃ち上がったチンポが躊躇いなく口に含まれた。驚きと快感であっという間に射精してしまいそうになるが耐える。そうか。ニューハーフモノとか男の娘モノとかに出てるなら、チンポも責め慣れてるのか。  しばらくチンポを下で転がされてから、今度は僕の尻が上に向けられる。首と肩に体重がかかる体勢だけど、マットレスのおかげでそんなには負担がない。父さんは僕の尻穴を躊躇いなく舐め、舌をねじ込んでくる。わざとらしく音を立てて舐められて、ちょっと恥ずかしいけど気持ちがいい。  しばらく舐められた後、父さんの舌が離れて今度は潤滑ジェルを塗りたくられ、指を挿れられる。最初は探るように動かしていたが、すぐに僕の弱いところを探し当てる。そこを重点的に責められて、僕のチンポから白く濁った汁が漏れ始める。 「あっ、ああ、ああああ……」  ある程度感じさせられたところで、指が二本、三本と増えていく。僕の使い慣れた尻穴は父さんの太い指によってどんどんほぐされ、広げられていく。ある程度広がったところで父さんの指が引き抜かれて、上に向けられていた尻も下ろされる。今度は起き上がらされて、父さんのチンポを目の前に突きつけられる。目の前で見ると思っていた以上に大きく感じる。僕は反射的にそれにしゃぶりつく。  今度は父さんが仰向けに寝転がって、僕の頭を軽く押さえつけるように手をやりながらチンポをしゃぶらせる。僕は先走りの味のするそれを夢中で舐め、しゃぶる。硬くて、太くて、力強く反り返るそれはちょっとしゃぶりづらいけどおいしい。 「おお、気持ちいいぞ、優……」  父さんが感じてくれているのが嬉しくて、僕の責めはどんどん激しくなっていく。喉奥まで呑み込んで、父さんに僕の頭を掴んで動かしてもらう。喉を性処理に使われているような苦しさが僕をますます興奮させるが、父さんはちょっと心配になったのか長くは続けてくれなかった。チンポを口から離させて、今度は四つん這いにさせられる。  父さんがジェルのチューブを手にすると、すぐに尻穴にあのチンポが触れてくる。僕は尻穴を広げて受け入れる準備をすると、それがゆっくりと突き挿れられる。 「うああ、ああ……」  指である程度広げられていても、これを受け入れるにはまだ少しきつかったかもしれない。でも、どうにか根本まで受け入れる。父さんが後ろから覆い被さってきて、耳元で「痛くないか?」と聞いてくる。痛い、というほどではなかったので、頷いて応える。  父さんは最初はほとんど動かさずに、大きさに慣れるまで時間を掛けてくれる。それから少しずつ抜き差しを開始して、穴を馴染ませていく。ゆっくりとした動きの中で、指で探り当てたところや、指では届かない奥の方などをえぐったりして責めてくる。そうしているうちに、僕の尻は父さんのチンポにすっかり慣れて、快感の方が大きく勝ってくる。 「父さん、ああ、気持ちいい……」 「そうかっ。俺も気持ちがいいぞっ」  父さんの抜き差しがどんどん激しくなっていく。単純な前後運動に加えて、下向きに掘り込んだり、上向きに突き上げるようにしたり。奥に押しつけてごりごりえぐられるとたまらなかった。しばらく激しく掘られていたが、急にチンポが引き抜かれてしまった。四つん這いから今度はうつぶせにされ、尻たぶを割り開くようにして再びチンポが突き挿れられる。 「おああああっ……」  一気に奥まで押し込まれて声を上げてしまう。そのまま激しく抜き差しをされ続けた後、父さんは体重を掛けて押し潰すように尻を掘ってくる。マットレスのおかげでそこまでの負担にならず、心地良い息苦しさにますます興奮させられてしまう。そのまま掘られ続けて、津過ぎる快感に耐えられなくなってきた頃に、父さんが声を上げる。 「ああ、すまないっ。俺も限界だっ。お前の中に出すぞっ。おおおっ……」  父さんが後ろから覆い被さってきて、そのまま身体を大きく震わせる。父さんのチンポがどくどくと脈動しているのがなんとなく感じられる。僕はそのまま父さんに押し潰されながら、幸せを感じていた。  父さんは呼吸を整えてから身体を起こすと、チンポを引き抜く。僕も起き上がらされて、父さんは下に敷いていたマットレスを持ち上げて見せる。そこには……僕が大量に漏らしたザーメンやら何やらの染みが。 「このように、たっぷり漏らしてしまっても、こうして表側だけを簡単に外せます。表側にはこのようなフィルターも挟み込まれているので、中までは染染みこまないようになっています。汚れたらこの表側だけを洗濯して、何度も使用できます」  進行役がなんかそんなことを説明してるけど、僕は実演二回目にして掘られ好きの淫乱っぷりを公表されたようなものなので恥ずかしかった。そんな僕に、父さんが近付いてきて耳打ちする。 「すまなかったな。ここで射精するつもりはなかったんだが、お前の尻の具合が良すぎて我慢できなかった」 「大丈夫。父さんに種付けしてもらって嬉しかった。もっとされたいぐらい」 「そうか。それなら……次は騎乗位で実演だぞっ」 「えっ」  いつの間にかマットレスから外した部分が新しいものに交換されていた。そんなに色々試す必要あるのかなー、なんて思いながら、僕は父さんに従って再びマットレスの上へ。 「実演はそう簡単に終わらないからな。覚悟しろよ」 「うん、父さん。頑張るよ」  その後。無事、僕はNL商品企画・開発課で実演係として頑張ることになった。基本的には父さんとセックスをして、時々鉄蔵さんとかが相手をしてくれる。わりと自分に向いている仕事だと思う。  隠し事が減ったので、父さんとの関係は良好だ。家でセックスはしないけど、職場ではもう何度もセックスしてる。父さんは本業のAVの方のために、こっちでは射精しないようにしてるらしいけど、僕とのセックスの時は時々我慢できずに射精してしまっている。AVの方に支障が出るほどではないらしいので良かった。  亮は無事に優しい彼氏をゲットして、まったりいちゃいちゃを楽しんでいるらしい。激しいセックスは好きだけど、僕も父さんとまったりいちゃいちゃしてみたい……そうか。それが必要な商品を企画して実演する流れにすればいいんだっ。よーし。頑張るぞー。